高卒の初任給って平均いくらなの?

高卒の初任給って平均いくらなの?

「高校を卒業してすぐに就職する場合、初任給は一体いくらもらえるのだろうか?」
これから就職活動を控える高校生やその保護者の方であれば、一度はこのような疑問を抱くのではないでしょうか。

物価の上昇やニュースで報じられる賃上げの話題を耳にすると、実際の給与水準がどのように変化しているのか気になるところです。
この記事では、最新の調査データに基づき、高卒就職者の初任給の平均額や実際の手取り額、さらには大卒との比較について詳しく解説します。

この記事を読むことで、現在の採用市場の動向を正確に把握でき、自分に合った企業選びや将来に向けた具体的なキャリアプランを描くことができるようになります。

2026年卒の平均額は20万円を突破し上昇傾向

2026年卒の平均額は20万円を突破し上昇傾向
高卒の初任給とは、高校卒業直後の新卒者が受け取る最初の月給を指します。
最新の調査データによると、2026年卒における高卒初任給の平均額は前年比5%増の20万1,611円となっており、初めて20万円の大台を突破しました。

ここで注意すべき点は、額面の金額がそのまま口座に振り込まれるわけではないということです。
給与からは税金や社会保険料が引かれるため、実際に受け取る金額である「手取り額」は額面よりも少なくなります。

具体的には、額面が20万円の場合、初月の手取り額は雇用保険と所得税が控除されて約19万4,000円となります。
さらに、2ヶ月目以降は健康保険や厚生年金などの社会保険料が追加で引かれるため、手取り額は約16万6,000円程度に減少することが一般的です。

初月と2ヶ月目以降で受け取れる金額が変わるという仕組みは、就職前に必ず理解しておくべき重要なポイントと言えます。

初任給が大幅に引き上げられている背景

初任給が大幅に引き上げられている背景
高卒の初任給が年々上昇している背景には、現在の日本社会が抱える構造的な課題が大きく関係しています。
この現象は大きく2つの要因に分類して説明することができます。

人材不足と物価高による「超売り手市場」

第一の要因は、深刻な人材不足と長引く物価高騰です。
現在、高卒採用の市場は求職者よりも求人数が圧倒的に多い「超売り手市場」が継続しています。

最新の調査では、企業側の7割超が2025年卒と比較して初任給を引き上げる予定であると回答しています。
企業が給与を引き上げる主な理由は以下の通りです。

  • 物価上昇への対応(54.6%)
  • 既存社員の定着率向上(51.0%)
  • 新規応募者の増加促進(49.0%)

企業側は求人票の条件を変更してでも人材を確保しようとしており、給与や賞与の調整を行った企業は全体の約39.6%に上ります。
それでもなお、採用充足率は3割にとどまっており、企業間の人材獲得競争は非常に激しい状態と言えます。

大卒と比較した際の生涯収入の優位性

第二の要因として、高卒人材の価値が見直されている点が挙げられます。
大卒の初任給平均が約22万〜25万円であるのに対し、高卒の初任給は約19万〜20万円と、およそ5万円低い水準にあります。

しかし、高卒は大卒よりも4年早く社会に出て働き始めることができるという大きなメリットがあります。
この4年間の早期就職による収入の蓄積は非常に大きく、若いうちから実務経験を積むことで昇給や昇進の機会も早く訪れます。

結果として、企業内で順調にキャリアを形成した場合、生涯収入において大卒と同等、あるいは優位に立つ可能性も十分に考えられます。
企業側もこの点に注目し、優秀な若手人材を早期に確保・育成するために、初任給の引き上げに踏み切っていると言えます。

業界や企業規模による初任給の具体例

業界や企業規模による初任給の具体例
高卒の初任給は、就職する業界や企業の規模によっても大きな差が見られます。
ここでは、最新の動向に基づく具体的な事例をいくつか紹介します。

建設業界やIT・金融業界が高水準

業界別の傾向を見ると、特に人材不足が顕著な業界で初任給が高く設定されています。
具体的には、IT業界、金融業界、そして建設業界において、初任給が25万円前後と平均を大きく上回る水準となっています。

中でも建設業界は、2026年卒の採用において最高額の初任給を記録しており、若手技術者の確保に非常に力を入れていることが特徴です。
これらの業界は専門的なスキルが求められる一方で、入社後の研修体制を充実させることで高卒人材を積極的に受け入れています。

大手企業による大幅な引き上げ事例

個別の企業に目を向けると、さらに大胆な給与改定を行っている事例が存在します。
  • 東北電力:高卒の初任給を1万8,000円増額し、大卒の引き上げ幅を上回る最大規模の賃上げを実施しました。
  • ノジマ:条件付きではあるものの、高卒初任給を最高で40万円に設定するという画期的な採用を打ち出しています。
  • 総合商社やユニクロ:一部の職種や条件において、高卒でも30万円を超える初任給を提示する事例が報告されています。

これらの具体例は、大企業が高卒人材のポテンシャルを高く評価し、従来の大卒偏重の採用方針から転換を図っている証拠と言えます。

企業規模による給与の格差

業界だけでなく、企業規模によっても初任給には明確な違いがあります。
従業員数が1,000人以上の大企業の場合、高卒初任給の平均は約22万円に達します。

一方で、従業員数が10〜99人の中小企業の場合は、平均約20万円となっており、企業規模による給与の差が存在することが確認できます。
就職活動の際には、単に給与額だけでなく、企業の規模や福利厚生、将来の昇給制度なども総合的に比較検討することが重要です。

売り手市場を活かした企業選びが重要

ここまで、高卒就職者の初任給に関する最新データや背景、具体例について解説してきました。
結論として、2026年卒の高卒初任給は平均20万円を超え、手取り額は2ヶ月目以降で約16万6,000円程度になることがわかりました。

企業間の競争が激化する「超売り手市場」の中で、多くの企業が物価高や人材確保を理由に給与水準を引き上げています。
特に建設業界や一部の大手企業では、大卒に匹敵する、あるいはそれを上回るような好待遇を用意するケースも増えています。

大卒と比較して初任給の額面は低いものの、4年間早く実務経験を積めることは、長期的なキャリア形成において大きなアドバンテージとなります。
給与額の高さだけでなく、自分が成長できる環境かどうかを見極めることが、成功する就職活動の鍵と言えます。

早期のキャリア形成に向けて一歩を踏み出そう

高卒での就職は、社会人としてのスタートダッシュを早く切ることができる素晴らしい選択肢です。
現在の恵まれた採用環境を最大限に活かし、自分自身の適性や希望に合った企業をじっくりと探してみてください。

初任給の高さはもちろん魅力的ですが、入社後の教育制度や職場の雰囲気なども含めて、多角的な視点で企業研究を進めることをお勧めします。
しっかりとした準備をして就職活動に臨むことで、必ず納得のいく進路を切り開くことができるはずです。