
電気代の高騰や、万が一の災害による停電への備えとして、自宅への蓄電池導入を検討する方が増えています。
しかし、いざ導入しようとすると初期費用の高さがネックとなり、二の足を踏んでしまうことも少なくありません。
「少しでも安く設置する方法はないだろうか」「住んでいる地域で使える支援制度はあるのだろうか」と、情報収集に時間を費やしているのではないでしょうか。
実は、広島県および県内の多くの市町村では、脱炭素社会の実現に向けて手厚い補助制度を用意しています。
この記事では、広島県内で利用可能な家庭用蓄電池の補助金について、最新の情報を整理して解説します。
県と市町の制度を賢く活用することで、導入コストを大幅に抑えられる可能性があります。
制度の仕組みや具体的な金額を知り、経済的なメリットを最大限に享受するための第一歩を踏み出しましょう。
広島県では県と市町の補助金を併用可能です

結論から申し上げますと、広島県にお住まいの方が家庭用蓄電池を導入する際、県と市町村の両方から補助金を受け取れる可能性が高いと言えます。
これは、広島県が実施している補助事業と、各市町村が独自に行っている補助事業が、それぞれ独立して存在しているためです。
具体的には、広島県の制度を利用しつつ、さらにお住まいの市や町の制度にも申請することで、補助金を「二重取り」できるケースが多く見られます。
ただし、すべての市町村で実施されているわけではなく、自治体によって補助金額や条件、申請期間が異なるため、事前の詳細な確認が不可欠です。
2025年度(令和7年度)においても、多くの自治体で受付が開始されていますが、予算には限りがあるため、早めの行動が極めて重要となります。
なぜ広島では蓄電池の導入支援が手厚いのか

広島県内でこれほどまでに家庭用蓄電池の補助金制度が充実しているのには、明確な理由があります。
ここでは、その背景と仕組みについて詳しく解説します。
脱炭素化と温室効果ガス削減への取り組み
第一の理由は、自治体が掲げる環境目標の達成に向けた取り組みです。
広島県および県内市町村は、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、家庭部門における二酸化炭素排出量の削減を重要課題としています。
太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入することで、自宅で作った再生可能エネルギーを効率よく自家消費することが可能になります。
これにより、電力会社からの購入電力量を減らし、結果として温室効果ガスの削減に貢献することができます。
行政としては、こうした環境配慮型の設備導入を促進するために、経済的なインセンティブ(補助金)を提供して普及を後押ししているのです。
災害時のレジリエンス強化
第二の理由は、地域の防災力向上です。
近年、台風や豪雨などの自然災害が激甚化しており、大規模な停電が発生するリスクが高まっています。
家庭用蓄電池があれば、停電時でも照明や冷蔵庫、情報通信機器などの最低限の電力を確保することができ、在宅避難が可能となります。
自治体にとって、住民が自立したエネルギー源を持つことは、地域全体の防災力(レジリエンス)を高めることにつながります。
そのため、単なる省エネ機器としてだけでなく、防災設備としての側面も評価され、補助金の対象となっているのです。
予算枠と先着順という仕組み
補助金制度を利用する上で理解しておくべき重要な点は、これらが「無限にある資金ではない」ということです。
各自治体は年度ごとに予算を計上しており、その枠内で補助を行っています。
例えば、広島市では募集台数に上限を設けており、その数に達した時点で受付が終了となります。
これは、補助金が公平に分配されるべき税金を原資としているためです。
したがって、制度が存在していても、申請のタイミングが遅れれば受給できない可能性があるという点に注意が必要です。
自治体ごとの補助金制度の具体例

それでは、実際にどの程度の補助金が受け取れるのか、主要な自治体の事例を見ていきましょう。
ここでは、2025年度(令和7年度)の情報を基に、広島市、呉市、その他の地域のケースを具体的に紹介します。
事例1:広島市における補助金活用
広島市にお住まいの場合、県と市の補助金を組み合わせることで、まとまった金額の支援を受けることができます。
広島市の制度は非常に明確で、以下のような内容となっています。
- 補助金額:定額3万円(1台あたり)
- 募集期間:令和7年4月15日〜令和8年1月30日(予定)
- 募集台数:550台(燃料電池、蓄電池、V2Hの合計)
さらに、広島県の補助金(上限3万円)も併用できる場合、合計で最大6万円の補助を受けられる計算になります。
適用条件として以下のポイントを押さえておく必要があります。
- 蓄電池は新品であること
- 蓄電容量が1kWh以上であること
- 太陽光発電設備またはエネファームと常時接続されていること
- 機器費と工事費の合計が20万円以上(税抜)であること
このように、太陽光発電とのセット運用が前提となっている点が特徴です。
既に太陽光パネルを設置している家庭が蓄電池を後付けする場合や、新築時にセットで導入する場合に有効活用できます。
事例2:呉市の手厚い補助制度
呉市では、他の自治体と比較しても非常に手厚い補助制度が用意されていることが特徴です。
呉市の補助金は、導入費用の割合に応じて算出されるため、高性能な機種を導入する場合に特にメリットが大きくなります。
- 計算式:蓄電池価格の3分の1 + 5万円
- 上限:蓄電容量10kWh相当額まで
特筆すべきは、複数の補助メニューを組み合わせることで、最大63万円もの補助が可能になるという点です。
これは蓄電池単体だけでなく、太陽光発電やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)などを複合的に導入する場合の最大値と考えられますが、蓄電池単体で見ても「価格の3分の1」という補助率は非常に高水準です。
呉市にお住まいの方は、導入費用の負担を大幅に軽減できるチャンスがあるため、必ず詳細な見積もりを取り、補助金額のシミュレーションを行うことを推奨します。
事例3:東広島市・三原市・廿日市市のケース
その他の主要都市でも、独自の補助金制度が設けられています。
それぞれの自治体で計算方法や上限額が異なるため、比較してみましょう。
- 東広島市:補助対象経費の10分の1(上限10万円)。ただし、太陽光発電システムとの接続が条件となります。
- 三原市:補助対象経費の3分の1(上限5万円)。補助率は高いですが、上限額が設定されている点に注意が必要です。
- 廿日市市:最大10万円の補助が用意されています。
例えば、東広島市で100万円の蓄電池システムを導入する場合、経費の10分の1である10万円が補助される可能性があります。
これに県の補助金が加われば、さらに手出し費用を抑えることができます。
また、大崎上島町のように、太陽光発電への補助(5万円)は明記されているものの、蓄電池単体の補助については詳細確認が必要な地域もあります。
ご自身が居住する自治体の最新情報を、公式サイトや専門業者を通じて確認することが大切です。
2025年度の補助金活用まとめ
ここまで解説してきた内容を整理すると、広島県内での家庭用蓄電池導入には、行政からの強力なバックアップがあることがわかります。
重要なポイントを以下にまとめます。
- 二重取りが可能:広島県の補助金(3万円)と、各市町村の補助金を併用できるケースが多いです。
- 地域差がある:広島市は定額3万円、呉市は費用の1/3補助など、自治体によって金額や計算方法が異なります。
- 条件の確認:多くの制度で「太陽光発電との接続」や「1kWh以上の容量」などが必須条件となっています。
- 先着順:予算や募集台数(広島市は550台など)には限りがあり、期間内であっても早期に終了する可能性があります。
これらの制度は、家庭の光熱費削減と地域の環境保全を同時に叶えるためのものです。
「知っている人だけが得をする」状況にならないよう、制度の有無と内容を正しく把握することが、賢い導入への近道と言えます。
まずは情報収集と見積もりから始めましょう
家庭用蓄電池の導入は、決して安い買い物ではありません。
しかし、補助金を活用することで、実質的な負担額を数万円から数十万円単位で減らせる可能性があります。
特に呉市のように高額な補助が見込める地域や、広島市のように募集枠が決まっている地域にお住まいの方は、1日でも早い検討が有利に働きます。
まずは、信頼できる施工販売店に相談し、「自分の住む地域で使える補助金はいくらか」「補助金適用後の実質価格はいくらか」というシミュレーションを含めた見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。
申請には期限があり、手続きにも一定の時間がかかります。
後悔のない選択をするために、今すぐ情報収集の一歩を踏み出してください。